ワタシハ、データ
2007年10月
ワタシハ、U.S.S.エンタープライズ号乗組員、データ少佐である。

ピカード艦長の命令により、ZAPという小惑星の組織改革に取り組んでいる。ワタシハ、ヌニエン・スン博士によって作られたアンドロイドである。ポジトロニック・ブレインの能力は、記憶メモリー800京ビット、最大処理速度は1秒間に16兆ビットである。感情がないので、人間のように怒ったり、笑ったり、泣いたりすることに憧れる。人間の行動は不可解である。ワタシハ、いつも「なぜ?」と質問して周りの人間を困らせる。最近、ワタシハ、任意のタイミングでエモーショナルチップをオン、オフにできるように改良された。この惑星では、デザインという業務の中で、人間同士が感情的に声を荒げたり、口が尖ったり、電話を切るなりオフィスを飛び出していったりする光景を目撃した。人間の部下達を持ったワタシハ、人間達のコゴトと言われるコミュニケーションに付き合わされるが、まったく理解不能である。「時間がない」「プレゼンが通らない」「忙しい」「予算がないからできない」….だから、なんだというのだ。人間の間では、クライアントという神にも等しい絶対的なものが存在するらしい。ワタシハ、そのクライアントという存在に対して、軌道修正しながらオーダーに応えるようにプログラムされている。あまりにも「なぜ?」を繰り返し、まれにその神に近い存在から「もういいっ!」と、バッサリ切られることがある。人間の言う、コゴトというコミュニケーションに付き合わされる時、ワタシハ人間達にこのように命令する。「エモーショナルチップをオフにしろ!」ワタシノ命令に対して、人間達は大きな声で笑い転げる。人間達には、エモーショナルチップが組み込まれていないらしい。ワタシハ、首をクッとねじ曲げて、自ら解除する方法をやってみせた。途端にエモーショナルチップがオンになり、ワタシジシン、なんだか目がつりあがったり、無口になったり、口から「チッ!」などという音声などが飛び出して、驚いた。これが驚くという感情のようである。今は、人間の勧めにより、「フランダースの犬」という物語を読んで涙を流すトレーニングをしている。
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投稿者 hidetoshi shinohara : 23:15
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天空に舞う、青い炎
2007年10月
ITと打合せの帰りに、銀座アンリ・シャルパンティエへ寄った。

僕は、ベークド・アラスカをオーダーした。これは、谷崎潤一郎の「細雪」にも登場した別名『炎のアイス』と言われるもの。アイスクリームをピラミッド型のメレンゲですっぽりと包んだスイーツが、ワゴンで運ばれてきた。ブランデーでフランベすると青い炎が、ボッォと天高く舞う。

デザートは、食後に食べるもので、追加という意味である。でも、これは最初からオーダーしているので、スイーツと言った方が良いのだろうか?イギリスでは、庶民の間でデザートとはあまり言わないらしい。スイーツかプディングと言うらしいけど、イギリス在住の方、本当ですか?
それにしても、ベークド(baked)は、「焼いた」であるけど、アラスカはなんだろう?アイスの冷たいを意味しているのかな?ノルウェーでは、オムレット・ノルベジェンヌ(ノルウェー風オムレツ)と言うらしい。
もう一つの謎は、なぜピラミッド型なのか?ベークドピラミッドでもいいのではないか?ベークドファラオでもいいかもしれない?でも、それでは、冷たさが表現されていない。ベークド北海道なんていうのはどうだろう?何?ダサイ?たしかに!では、ベークドフィンランドなんていうのはどう?
ああ、これも職業病だろうか?すぐ、なぜだろう?と考えてしまう。何も考えずに美味しくいただくということも大切かもしれない。ただ、そこにベークド・アラスカがあったから…
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投稿者 hidetoshi shinohara : 21:52
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