<<   2007年03月07日  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31   >>

空をトリミング

2007年03月07日

また、首都高速のお台場出口で渋滞。
車が一向に動き出しそうもないので、写真を撮った。


%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%99%E7%A9%BA.jpg


上を見上げると高速道路が、まるでL字型のトリミングスケールのように見えた。撮影現場では、フォトグラファーが写真を撮り、アートディレクターやデザイナーがトリミングスケールを持って、写真をトリミングしながら方向性を詰めていく。

今では、デジタル撮影が主流になり、現場ではモニターでチェックすることが多くなったので、レイアウトデータをパソコンに入れて、モニター上でトリミングをすることが多くなった。

それでも、僕はトリミングスケールを持っていくようにスタッフに指示する。それは、まわりを黒で覆うことができ、雑念を排除することができるからだ。常日頃から、人差し指と親指でL字を作って、構図を決めていくのが癖になっているのだ。(みんなやっていると思うけど)

肉眼で見ていると、いろいろな雑念が目に飛び込んでくるが、こうやってトリミングして覆い隠すとテーマが絞れてきて、新たな発見がある。それが、日常の見慣れた風景の中に美を発見する、ということである。

前回のブログの不忍池も削ぎ落としたから、いろいろな発見があった。肉眼で見ていると、いろいろなものが視界に入ってきて、決して美しい風景とはいえないものでも、どこか異国の地へでも行ったような光景になる。

多くの人と同じものを見ていても感じ方が違えば、画面の切り取り方も違うということだ。渋滞の中、どんよりした曇り空であったが、写真で見ると柔らかく、美しい色あいであった。きっと、写真とは心の投影なのであろう。


心のバッドチューニング。



投稿者 hidetoshi shinohara : 14:43 | コメント (8)

comment(8)

余計なモノをそぎ落とし、見えていなかった
新しい視点がクローズアップする。
毎度毎度撮影に同行すると
新しい発見があります。
トリミングの仕方一つで、ストーリーが
変わりますね。面白い力を感じます。

投稿者:Rei :2007年03月08日 00:02


>Reiさま

コマーシャルの場合、写真に写っている被写体の周りは、
雑多なセットや機材が立ち並んでいますよね。
フォトグラファーの後ろに立っていると、
そんな仕掛けや舞台裏まで見えてしまうけど、
そこを切り取ってイメージを作っていくのが面白いです。
そういうえば、舞台もそんな観客からは、舞台裏が見えなくて、
似たような印象を受けます。

投稿者:hide★ :2007年03月08日 01:56


中学の頃の美術教師が、写生大会の作品を並べて評価したときに
同じ場所から同じ方向を向き、同じ時間に描いたものがこんなに違うと。
とりわけ、どこをトリミングするかだけでも、これほど違うと。
木をクローズアップする人もいれば、全体の空気感を表現したかったのかなあという感じの絵もあります。
何を感じて、何を表現して、それをどう受け止めるかに決まりはないけれど、感動の仕方には違いがある。
それだからこそ人って面白いだろう?っていうような事を言ってました。
この先生、とてもいい教師だと思いません?

写真は後でそぎ落とせば、良い構図になってくるけれど
作品に本気さが投入されない気もしますね。
現場でトリミングする癖をつかんでおくと、
その時の感動が伝わりやすいかもしれません。
ちょっと、精神論的すぎますかね?

投稿者:uench :2007年03月08日 09:39


>uenchさま

いい先生ですねーーー!
そういう先生、好きですねーー!
絵のテクニックよりも何を感じて
何を見るかの方が大事ですよね。

僕が高校の時、美大受験用の予備校の講師が、
「デッサンとは、描くことではなく、見ることだ」と
言われたことが一番ショッキングで印象に残っています。
あとは、ほとんど記憶に無いくらいです。

現場でトリミングをきちんとできないということは、
その時点で何を伝えたいのか、定まっていないということですからね。

投稿者:hide★ :2007年03月08日 10:31


言われてみると、本当に首都高の空がL字型でトリミングされてるように見えますね!
時々、Lの字にした指と指を組み合わせて、片目をつぶってその空間を覗き込んでるの人を
見かけましたが、構図を決めてたんですねーっ!なんか、ちょっとカッコいいと思ったので、
私も今日、真似してやってみました!
青い空と白い雲と、ビルと。。。四角くトリミングされて、いつもとちょっと違って見えたかな?!

投稿者:香明 :2007年03月11日 22:56


>香明さま

日常をトリミングするという遊びは、
お金のかかからない、地味な行為です。
でも、片目をつぶって、その空間を覗き込んでいる人は、
きっと、自分の世界に入り込んで楽しくて、しょうがないのでしょうね。

青い空と白い雲、その中にビルを下からそびえ立っているように
するのではなく、上からのビルが覗き込んでいるようにするだけでも
ちょっと違った世界が見えてきます。
僕は、新宿の高層ビル群の真下に立って、
何時間でもそんな遊びをすることができます。

何もかも忘れてしまいますよ。

投稿者:hide★ :2007年03月11日 23:19


ヒデさん、こんにちは。

撮影にモニターが持ち込まれる現場では、フォトグラファー、
ディレクター、デザイナーのさまざまな思惑が混在し、
お互いの聖域をおかすような思いにかられることはありませんか?
ベストな瞬間を切り取ってもらったはずなのに、
誰かの一言で、何度でもやり直しができてしまう・・・。

あのポラを両手で挟んで暖めるフォトグラファーと、それをめくる瞬間を
心待ちにした頃の撮影現場。
まったりしたあのポラ待ち時間がとても懐かしいこの頃です。

・・・自然光なら、曇り空が一番好きです。

投稿者:fumipan :2007年03月13日 15:16


>fumipanさま

特に造形的な専門知識がない人に発言権があると最悪です。
その人の意見を聞かないというのではなく、
こちらの専門的な意見を発言する機会がなかったり、
理由も聞いてもらえず、ツルの一声で変更というのが多いです。
トップからの命令ということだけで、
「ちょっとちがうのになあ」と思いつつ、
それを受け入れなけばならないこともあります。
何度も何度もやり直しさせられて、発言している人の顔が見えなくて、
意図が分からなく、何を目指して分からなくなった時、
魂の抜けたロボットのようになりますね。
ポラの時代を懐かしんでもいられないですけどね。

投稿者:hide★ :2007年03月13日 22:44


このエントリーのトラックバックURL

http://zap.co.jp/mt/mt-tb.cgi/174