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雪景色の琳派

2007年01月16日

恵庭岳の下流、白扇の滝からさらに南下すると漁川(いざりかわ)ダムがある。
漁川は、ラルマナイ川とイチャンコッペ川に挟まれている。
氷に覆われたダムの支流は、一部解けて優雅な曲線を作っていた。


DSC_6208.jpg


最近、デザインを掘り下げていくと、日本人としてのアイデンティティーが重要であるような気がしてきた。海外ブランドを身に纏うのも良いが、日本人としてのルーツを再認識したい。僕自身、世界のブランド品には興味があるので何も懐古趣味に浸るというのではなく、現代のグローバル化社会を見据えたうえで、日本人であることを意識していきたいということかな。

そこで、琳派。19世紀のヨーロッパでは、アールヌーボーが全盛であった。日本が初めて参加したパリ万国博覧会を皮切りに、浮世絵、琳派、工芸品などを次々に出品していった。面を埋め尽くさんばかりの華美な装飾を美とされていたのに対して、大胆に空間を取り入れた日本美術の手法にヨーロッパの人々は驚いた。

アメリカの経済学者、P.F.ドラッカーは日本美術の根底にあるものは、空間を重視することで、画面における余白が大きな意味を持っているという。西洋が幾何学的、中国が代数的、日本は空間がそれぞれのパーツを区分している、というように琳派は現代のデザインに通じるものがあるのかもしれない。

そして、日本美術の特色は、概念ではなく知覚、写実ではなくデザイン、幾何ではなくトポロジー、分析ではなく統合にあるとドラッカーは言う。絵画の世界では立体感のないデザイン的という言葉が日本人のコンプレックスであったらしい。僕は、なにも幾何学的な黄金分割だけが構図を支配しているのではないということと、この先人達が築いた空間的表現をとても誇りに思う。


日本人のバッドチューニングを雪景色に見つけた。



投稿者 hidetoshi shinohara : 16:05 | コメント (16)

comment(16)

余白の使い方はデザインの重要な要素ですよね。
日本画や墨絵、浮世絵、華道、茶道…etc。
淋派をはじめとする日本の芸術は、思い切った空間を使った構図で、わびさび等といった精神世界をうまく表現していると思いますね。
無の世界を意識のどこかに持ってしまう、日本人独特の感性なんでしょうか?
おそらく仏教の思想の影響だと思うんですが、どうでしょうかねぇ?
西洋の人達には、仏教思想はとてもクールに思える世界なのではないでしょうか?

それにしても、今回もまた魅せて頂きました。
惚れ惚れするような美しい曲線です…(T_T)

投稿者:uench :2007年01月16日 22:46


>uench様

最初にお詫びいたします。
淋巴ではなく、琳派でした。
パソコンの漢字変換はうろ覚えの漢字を
間違って入力してしまいます。

そう、余白は大事ですよね。
大胆な空間が地と図の関係を生み出します。
英語で地をgroundと言い、図をfigureと言いますよね。
レイアウトでは、図形を配置してそれらを生き生きさせるには、
ホワイトスペースの考え方が重要になります。
まさにホワイトスペースとは、何もない、
つまり、無ということなのでしょうか?
それは、やはり仏教思想から来ているのでしょうね。
これについて詳しい方、教えていただきたいです。

投稿者:hide★ :2007年01月16日 23:43


さすが、北海道はすごいですね~!
一面の雪景色に圧倒されてしまいました!!

雪の白と水の蒼と。
まさに、「琳派」の絵そのものですね。

西洋のような豪華な”美”ではないけれど、
控えめだけど、凛とした美しさが、
私は好きです。
やっぱり、日本人だから?!

自然界の美をそのまま表現しているのが、
日本の美のような気がします。

投稿者:香明 :2007年01月17日 01:28


今回の写真もスゴいですね!
最近よく京都に行くようになったんですが、
昔の人は生活に“美”を取り入れるのが上手ですね。
日本人の創造力というか、遊び心というか...
知れば知るほど奥が深いですね。

投稿者:Inojo :2007年01月17日 02:01


>香明様

江戸時代の人々は、自然の中に造形美を見つけるのが
うまかったのだと思います。
この時代の西洋絵画は、写実主義から印象派へと移行してきて、
心の目で対象を捉えるようになってきたのは偶然なのでしょうか?

インターネットのない時代に世界でお互いが
影響し合うスタイルが生まれたことはとても興味深いですよね。

日本人の謙虚さは、この控えめな美から来ているのでしょうか?

投稿者:hide★ :2007年01月17日 02:06


>Inoji様

京都へ気軽に行ける環境は、とても羨ましいです。
西洋のこれでもかというくらいの豪奢な装飾は、
経済力の誇示のような気がします。
日本にも権力者の豪華絢爛の世界があったようですが、
根底にあるのは、日本人はそれを美としない、
さりげない謙虚さ持ち合わせいるのではないでしょうか?
世の中がもっと、日本の精神的な美に関心を持ってくれば、
いじめも殺人もなくなってくるのではないでしょうか?

投稿者:hide★ :2007年01月17日 02:18


海外に暮らすようになって、日本の美というものの良さが、より分かるようになった気がします。
と同時に、たまに日本に帰った際、自分たちの持つ文化・日本人の持つものの良さに気づいていない人々を見ると、少し悲しくなります。

フランスでは、よくZENという言葉を聞きます。
喜怒哀楽の激しいヨーロッパ人には、日本人の持つZENの精神は、尊いものなのですね。

昨年夏前に日本に帰国した際、海にドライブに行った帰り、ふと鹿島神宮に寄りました。
外の世界から隔離された、神社独特の静けさ。
青々と茂った木々の間からこぼれる6月の穏やかな午後の光。

その日ほど、神社という場所がこんなに心地良いものだと思ったことはありませんでした。
教会にしても、有名な公園・庭園にしても、人口的に作られたものが多いヨーロッパに対して、自然と共存するという、そこにある美は、どんなに手の込んだ手法で作られた芸術品よりも、力強く美しいものでした。

日本人に生まれたことを幸せに思います。
他国を貶してるわけでなく、こちらでの生活も大好きですが、ただ単純にふとそう思うのです。
外国の文化にとらわれ過ぎて、日本の良さを忘れてしまっている日本人の方々。
今一度、日本の良さに目を向けてみて欲しいですね。。。

投稿者:ryo :2007年01月17日 11:11


>ryo様

西欧の宗教はイコンに象徴されていますが、
古代日本の神はアニミズム的な神で
山、川、巨石、動物、植物などの自然物や火、雨、風、雷などと
いった自然現象の中に神を感じ取ったようです。

それが、神社という形で残っているのだと思います。

自然は人々に恩恵をもたらす一方、時には災害も引き起こす。
古代日本人はこれを神の祟りと考え、怒りを鎮め
恵みを与えてくれるようになり、
それが神と呼ばれるようになったよです。

だから、神社はキリスト像のような具体的なものではなく、
何か神聖で静寂を感じる精神性を重んじているのかもしれませんね。

フランスから、日本文化の素晴らしさをぜひ、発信してください。

投稿者:hide★ :2007年01月17日 13:28


日本人の調和の精神は、誇りが持てると思っています。
それと、万物に八百万の神が宿ると考えた先人達。
こうした、考えや文化って、環境問題、人権問題にも
一役かいそうにかんじます。
アイデンティティとして、個の位置づけとしても
先人の考えや、文化をしりながら
あくまで、現代に対応する。
そのバランスを保てれば、世界につうようする、
日本人の真のグローバリズムも成り立つかもしれませんよね。

投稿者:N.Kojima :2007年01月18日 00:13


>N.Kojima様

最近、とても日本人を意識するようになってきました。
これだけ、ネットで世界の情報を簡単に入手できるので
ますます日本を再認識するようになったのかもしれません。
愛国心とか、国粋主義ということともあまり縁がありませんが、
いい国じゃないかと思えます。
ここ数年、僕の心の中にあるテーマは琳派です。
この琳派は現代流に解釈して世界に発信していきたいです。

投稿者:hide★ :2007年01月18日 00:49


最近はあらゆるモノで日本らしさというモノが
見直されてきた様に感じます。
特にファッションは日本のマルチミックス的要素が強く
洋服の歴史が浅い分、固定概念がなく自由であると
思っています。
アーティストも同様ですね。
JAPANを押し付けるのではなく、常に調和を大切に
中和的な要素を含んでいる
=アイデンティティなのかもしれませんね。

投稿者:Rei :2007年01月18日 01:03


>Rei様

マルチミックスと言えば、コンランショップの
テレンス・コンランが著書の中で
「心地良いということは、スタイルに関係なく万国共通である」と
いうような事を書いていました。
だから、国のスタイルで商品を集めるのではななく、
世界のいろいろな国のスタイルをミックスするのだそうです。
そんな考えた方は、日本人の得意とするところかもしれませんね。
そこに日本独特の調和を取れ入れれば。

投稿者:hide★ :2007年01月18日 02:00


瀬戸内海近辺に住む私には
信じられない光景です。
曲線の美しさ、色合いの冷たさに感激です。
どういうポジションに立って撮られたのか
その位置の風景も気になります。

147は変わらず元気です。

投稿者:よよ :2007年01月20日 09:17


>よよ様

ダムの橋の上から撮りました。

瀬戸内海といえば、坂本龍馬の海援隊いろは丸が沈没し、
漂流してたどり着いたという鞆の浦というところへ
行ったことがあります。
とても感慨深いものがありました。
北の人間は南に憧れるのですよ。

投稿者:hide★ :2007年01月20日 18:00


余白の美。それは、何も描かれていない所を読み取る事です。
書では、余白に書くと言われます。筆を走らせ文字を書くのではなく、
書かれていない余白こそ、感じとられるような作品にしなければ、芸術作品とはなりません。
日本人にしか備わっていない能力と言えるでしょう。
大切にしたいですね
っと偉い事言いましたが、皆さんのコメントを読んで刺激になりました。

投稿者:shiroki :2007年01月24日 11:09


>shiroki様

デザインの世界では、ホワイトスペースが生きていると
レイアウト上、いろいろな要素が調和します。
特に新聞広告は、ホワイトスペースの美しさが
重要だと思っています。
最近では、カラーの新聞広告が多くなってきましたけど、
モノクロの新聞広告は、書に近いものがあるかもしれませんね。

投稿者:hide★ :2007年01月24日 11:57


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